スルピキア先生、古代ローマでもピザのようなものは食べられていたのでしょうか?ピザといえばイタリア料理の代表ですが、その起源について気になります。
古代ローマでは、現代のピザに似た料理が確かに存在していましたが、現在のピザとはいくつかの点で異なります。古代ローマの料理の中には、パン生地にさまざまなトッピングを載せて焼くものがありました。これらは「ピッサ(pissa)」と呼ばれ、現代のピザの前身とされています。
古代ローマのピッサは、主に小麦粉、水、塩から作られる平らなパン生地を使用し、その上にオリーブオイル、ハーブ、チーズ、そして時には魚や肉などのトッピングを載せて焼きました。特にガルムという魚醤が風味を引き立てるために使われることが多かったです。
このピッサは、ローマの街中で簡単に手に入れることができる軽食として人気がありました。公共のパン焼き窯で焼かれることもあり、現代のピザのように屋台や食堂で提供されていました。
一方で現代のピザとは異なり、トマトソースは使用されていませんでした。これは、トマトが新大陸(アメリカ大陸)からヨーロッパにもたらされたのが16世紀以降であるためです。したがって、トマトソースを使ったピザは古代ローマ時代には存在しませんでした。
このように、古代ローマのピッサは現代のピザのルーツの一つと考えられていますが、トッピングや味付けには違いがありました。それでも、古代ローマの人々がこのようなパン料理を楽しんでいたことは、イタリア料理の歴史において興味深いポイントですね。
参考文献:
History of Pizza - Wikipedia (English)
Pizza - Wikipedia (Italian)
Ancient Roman Cuisine - Wikipedia (English)
スルピキア
紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。