古代ローマの食事に関するQ&A

「パスタは古代ローマが起源?」という疑問にわかりやすく回答。古代ローマのラガナがパスタの原型とされるものの、現代のパスタ文化は中世イタリアで発展したものです。パスタの歴史的な起源とその発展を理解する助けになれば幸いです。

パスタって古代ローマが起源なの?

スルピキア先生、パスタって古代ローマが起源なのか知りたいです。イタリア料理といえばパスタですが、その歴史はどこから始まったのでしょうか?

パスタの起源は非常に古く、古代ローマにも類似した食文化が存在していましたが、現代のようなパスタが完全に成立したのは後の時代です。それでも、古代ローマでの「ラガナ(lagana)」と呼ばれる料理は、パスタの原型の一つとされています。

 

ラガナは、小麦粉と水を混ぜて作った生地を薄く伸ばし、それを茹でたり焼いたりして食べる料理でした。今日のラザニアに似ており、これに肉や魚、ソースを加えて楽しむことがありました。また、ローマの料理書『アピキウス』には、このラガナの調理法についての記述が見られます。

 

ただし、古代ローマ時代のラガナと現代のパスタには違いがあります。当時のラガナは、乾燥させずにすぐに調理されることが一般的であり、乾燥パスタの技術はまだ発達していませんでした。また、ラガナは麺状ではなく、平たいシート状のものでした。

 

一方、今日のようなパスタ文化が確立されたのは、アラビア文化との接触後の中世イタリアでのことです。アラビア人が乾燥パスタの技術をシチリアに持ち込み、それが広まったことで、保存性の高いパスタが普及しました。

 

このように、古代ローマのラガナは現代パスタの一つの起源と考えられますが、現在のパスタ文化はその後の歴史的な発展と影響を受けて形作られたものです(イタリア料理の歴史をたどると、さまざまな文化が融合しているのが面白いですね^^;)。

参考文献:
Pasta - Wikipedia (English)
Pasta - Wikipedia (Italian)
Apicius - Wikipedia (English)

スルピキア

 

紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。