古代ローマの住居に関するQ&A

「古代ローマにも宿屋があったの?」という疑問にわかりやすく回答。タベルナやマンシオなど、旅人が利用した宿泊施設を通じて、古代ローマの旅のインフラを理解する助けになれば幸いです。

古代ローマにも宿屋はあったの?

スルピキア先生、古代ローマの旅について調べていると、当時の人々がどこに泊まっていたのか気になります。古代ローマにも宿屋のようなものがあったのでしょうか?

古代ローマにも宿屋や宿泊施設が存在していました。これらは一般的に「タベルナ」や「マンシオ」と呼ばれていました。タベルナは、基本的な食事や飲み物を提供する酒場であると同時に、宿泊場所としても利用されていました。旅人や商人たちは、このようなタベルナで食事をし、寝泊まりすることができました。

 

一方、マンシオはもう少し規模の大きな宿泊施設で、特に官吏や公務に従事する者たちが利用しました。マンシオはローマの広大な道路網に沿って定期的に設置されており、長距離を移動する旅人や官吏にとって重要な休息場所となっていました。これらの施設は基本的な宿泊施設を提供するだけでなく、馬や車両の交換、補給のためのサービスも行っていました。

 

また、古代ローマの都市部には「インスラエ」と呼ばれる集合住宅があり、その中には簡易な宿泊施設が設けられていることもありました。特に都市部では、多くの人々が賃貸の部屋を利用していました。

 

ただし、これらの宿泊施設の質は非常にばらつきがあり、基本的なサービスしか提供されないことが多かったため、富裕層の旅行者は親戚や友人の家に滞在することを好んだと言われています。また、宿泊施設の多くは治安が悪く、盗難やその他の危険が付きまとっていたため、安全性には限界がありました。

 

このように、古代ローマには宿屋や宿泊施設が存在しており、旅人や商人が宿泊するためのインフラが整備されていました。不思議ですよね、古代の旅の仕組みがどれほど現代に似ているかを知ると、彼らの生活に親しみを感じます。

 

参考文献:
Taberna - Wikipedia

スルピキア

 

紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。