スルピキア先生。そういえば古代ローマの人たちも家に住んでいたじゃないですか。それで思い出したんですけど、一般家庭にはトイレってあったんですか?どのようにトイレを使っていたのか気になります。
古代ローマの一般家庭には、現在のようなトイレはほとんど存在していませんでした。裕福な家庭では、家の中に専用のトイレを設けることもありましたが、多くの人々は公衆トイレ(ラトリーナ)を利用していました。この公衆トイレは、ローマの都市に数多く設置されており、無料で利用できる公共の施設でした。
公衆トイレは大理石や石でできたベンチ状の座席に穴が開いており、その下には水路が流れていました。この水路は、流水によって排泄物を流す仕組みで、衛生面にも配慮されていました。ローマの都市計画は非常に高度で、下水道システムも整備されていたため、排水処理が効果的に行われていました。
また、家庭内での簡易トイレとして、壺やバケツが使われることもありました。これらは夜間や緊急時に利用され、使用後は公共の排水路や肥料として農地に持ち込まれることもありました。
意外かもしれませんが、古代ローマのトイレ文化は非常に進んでおり、公衆トイレは社交の場としても利用されていました。ローマ人にとってトイレは単なる衛生施設ではなく、コミュニケーションの場でもあったのです。不思議ですよね、古代から人々は清潔さや衛生に関心を持っていたことがわかります。現代と比べて異なる点も多いですが、同じような考えがあったことに驚かされますね。
参考文献:
Roman Sanitation - World History Encyclopedia
Sanitation | Britannica
Latrina - Smith's Dictionary
スルピキア
紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。