古代ローマの住居に関するQ&A

「古代ローマのドムスの間取りはどうなっていたの?」という疑問にわかりやすく回答。アトリウムやトリクリニウム、ペリスタイルなど、古代ローマの裕福な家庭の特徴的な部屋とその用途を理解する助けになれば幸いです。

古代ローマのマンション「ドムス」の間取りは?

スルピキア先生、古代ローマのマンション「ドムス」の間取りについて詳しく教えてください!

古代ローマの「ドムス」は、裕福な市民や貴族が居住する一戸建ての家であり、その間取りは洗練された設計と装飾で知られています。ドムスの設計は、プライバシーと社交のバランスを考慮して作られており、以下のような特徴的な部屋が含まれていました。

 

  • アトリウム(Atrium) - ドムスの中心に位置する開放的な中庭で、家の主要な入口から直接アクセスできます。この空間は自然光を取り入れ、家族や来客の集まりの場として機能しました。
  • クリブラリウム(Cubiculum) - 個々の寝室で、プライベートな空間として使われました。これらは通常、アトリウムやペリスタイル(柱廊付き庭園)の周囲に配置されていました。
  • タブリヌム(Tablinum) - 家主の仕事部屋で、アトリウムの奥に位置しており、家の公的な事務や記録保管の場として用いられました。
  • トリクリニウム(Triclinium) - 食事をするための部屋で、ドムスの社交的な空間として重要な役割を果たしました。ここで豪華な晩餐会が開かれ、多くの場合、壁画やモザイクで飾られていました。
  • ペリスタイル(Peristyle) - 家の内部にある開放的な庭園で、周囲を柱で囲まれています。この空間はリラクゼーションや家庭菜園としての用途に加え、家族の憩いの場としても利用されました。

 

これらの部屋は、機能的かつ美的な配慮が行き届いており、古代ローマの建築技術と美意識の高さを今に伝えています。

参考文献:
Domus - Wikipedia (English)
Domus - Wikipedia (Italian)
Ancient Roman Architecture - Wikipedia (English)

スルピキア

 

紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。