古代ローマの風呂文化に関するQ&A

「古代ローマにはプールのような施設もあったの?」という疑問にわかりやすく回答。公共浴場のフリギダリウムや自宅のプスキナなど、古代ローマのプール文化を理解する助けになれば幸いです。

古代ローマにはプールもあったの?

スルピキア先生、古代ローマにはプールのような施設もあったのでしょうか?お風呂文化が発展していたと聞いたことがありますが、実際にどんなものがあったのか知りたいです。

古代ローマには、私たちが現在プールと呼ぶような施設が存在していました。これらの施設は「プスキナ(piscina)」と呼ばれ、主に二つの目的で利用されていました。

 

まず、ローマ人にとって非常に重要な存在であったのが公共浴場(テルマエ)です。テルマエには、さまざまな温度の浴槽が設置されており、その中には冷水浴槽である「フリギダリウム」も含まれていました。フリギダリウムは広く深い水槽で、現代のプールに似た役割を果たしていました。ここで人々は泳いだり、体を冷やしたりして楽しんでいました

 

また、裕福なローマ市民の中には、自宅にプスキナを設ける者もいました。これらのプスキナは、リラクゼーションや運動のために使用されることが多く、豪華な装飾が施されていることもありました。ローマの別荘地では、庭園と一体化した美しいプールが設置されていることがよくあり、社交の場としても利用されていました。

 

さらに、ローマ軍の訓練の一環としてもプスキナが使用されました。兵士たちは水泳の訓練を受け、体力と戦闘能力を養うためにこれらの施設を利用していました。

 

このように、古代ローマにはさまざまな用途で利用されるプールが存在していました。これらの施設は、単なる娯楽だけでなく、健康維持や社交、訓練の場としても重要な役割を果たしていたのです。

参考文献:
Thermae - Wikipedia (English)
Terme Romane - Wikipedia (Italian)

スルピキア

 

紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。