古代ローマの建築技術に関するQ&A

「古代ローマではクレーンが大活躍だったの?」という疑問にわかりやすく回答。トリスパストスやポリスパストスといったクレーンの役割や建築での活用を理解する助けになれば幸いです。

古代ローマではクレーンが大活躍だったの?

古代ローマではクレーンが大活躍だったって本当なの?大きな建物を建てるのにどうやって重い石を持ち上げたのか知りたいです。スルピキア先生、教えてください!

古代ローマでは、クレーンが建築において重要な役割を果たしていました。当時のクレーンは「トリスパストス」や「ポリスパストス」といった名前で知られ、複数の滑車とロープを組み合わせて重い物を持ち上げる仕組みでした。これらのクレーンは主に木製で、人力や動物の力を利用して操作されていました。

 

特に「ポリスパストス」と呼ばれる高度なクレーンは、多くの滑車を用いた複雑な構造で、最大3,000kg(場合によっては6,000kg)もの重量を持ち上げることができました。これは、エジプトでピラミッドを建設する際に用いられた技術よりも遥かに効率的でした。ローマ帝国の建築プロジェクトでは、このようなクレーンが使用されており、特に大規模な建造物の建設には欠かせない存在でした。

 

クレーンはまた、港での荷物の積み下ろしにも利用されていたと考えられています。これにより、重い石材や建材を効率的に移動させることが可能となり、ローマの壮大な建築物やインフラストラクチャーの建設が可能となったのです。クレーンの利用は、古代ローマの建築技術の発展に大きく寄与し、その影響は後世にも続きました。

参考文献:
1. "Ancient Roman Crane" - Traveling Cook
2. "Ancient Roman Technology" - Wikipedia
3. "What Tools Did The Ancient Romans Use" - Ancient Rome

スルピキア

 

紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。