古代ローマの言語に関するQ&A

「古代ローマに通訳はいたの?」という疑問にわかりやすく回答。外交や軍事、商業での通訳の役割や重要性を理解する助けになれば幸いです。

古代ローマにも「通訳」という仕事はあったんですか?

古代ローマ時代にも「通訳」という仕事はあったのでしょうか?もしあったとしたら、ローマ社会における通訳の役割と重要性について詳しく知りたいです。

はい、古代ローマには通訳という職業が存在していました。ローマ帝国は広大な領土を持ち、多様な言語や文化を持つ民族が共存していたため、通訳の役割が非常に重要だったんですよ。

 

主な通訳の役割
 
外交と軍事活動

ローマ帝国では、多くの異民族と外交交渉を行い、時には戦争をしました。通訳は、外交使節団や軍隊の一員として派遣され、異なる言語を話す相手との交渉や協議を行う上で不可欠でした。ローマの歴史家タキトゥスやカエサルの記録にも、通訳の存在が言及されています。

 

行政と司法

ローマはその支配地域を効率的に管理するために、地方行政を整備しました。多言語を話す地域では、現地住民とローマの役人との間で意思疎通を図るために通訳が雇われました。また、裁判所でも通訳が必要とされる場合がありました。

 

商業活動

ローマ帝国は交易が盛んであり、地中海全域やそれを越えて多くの国々と貿易を行っていました。商人たちはしばしば通訳を雇い、外国の商人や顧客との取引を円滑に行うために彼らのサービスを利用しました。

 

教育と学問

ローマでは、ギリシャ語が文化や学問の言語として広く使われていました。ギリシャ語とラテン語の間で通訳が必要とされる場面も多く、教育や学問の場で通訳が重要な役割を果たしました。

 

古代ローマにおける通訳は、現代のように専門職として確立されていたわけではありませんが、特定の場面で非常に重要な役割を担いました。通訳は多くの場合、軍や行政、商業活動に従事する個人が兼任していたり、奴隷や解放奴隷がその役割を果たすこともありました。特に、多言語を話す技能は高く評価され、通訳としての能力を持つ人々は重宝されました。

 

通訳に関する記録

古代ローマの文献には、通訳に関連する記述がいくつか残されています。例えば、カエサルの『ガリア戦記』には、異なる言語を話すガリア人やゲルマン人との交渉において通訳が使われたことが記されています。また、ローマ帝国がパルティアやペルシャなどの東方の大国と外交交渉を行う際にも、通訳が重要な役割を果たしました。

 

結論

このように、古代ローマには通訳という職業が確かに存在し、特に外交、軍事、商業、行政の場で重要な役割を果たしました。通訳は、多言語を話す能力を持つ人々に求められる専門的な技能であり、ローマ帝国の広大な領土と多様な文化を統治する上で欠かせない存在だったのですね。

スルピキア

 

紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。