スルピキア先生、古代ローマ時代にはどのようなペンが使われていたのでしょうか?どんな材料でできていたのか、また、どのようにして文字を記していたのか興味があります。
古代ローマでは、主に「カラムス」と「スティラス」という二種類のペンが使われていました。これらは、素材や使用目的によって異なりますが、共通しているのはその独特な製造法と使用法です。
素材: カラムスは、葦(リード)の茎を削って作られた筆記具です。この天然素材は湿地帯で豊富に見られ、加工が比較的容易であったため、広く使われていました。
使用法: 先端を細く削り、インクに浸して使用します。インクは一般的に煤やガムアラビックを混ぜたもので、パピルスや羊皮紙に書くために使用されました。
素材: スティラスは金属や骨、アイボリーで作られていた筆記具で、一方の先端は尖っており、もう一方は平らでした。
使用法: 尖った端で蝋板(ワックスを塗った木板)に文字を刻みます。文章を消す際には、平らな端を使って蝋を滑らかにならして修正しました。この二重の機能は、文書作成の際に大変便利でした。
これらの筆記具は、ローマの文化や行政、商業の発展に欠かせないものであり、教育や文学、記録保持に広く用いられていました。古代ローマ人はこれらの道具を使って、当時の知識や歴史を後世に伝えるための重要な文書を数多く残しています。。
参考文献:
Roman Cursive - Wikipedia (English)
Stylus - Wikipedia (English)
Calamo (scrittura) - Wikipedia (Italian)
スルピキア
紀元前1世紀に活動した、数少ない古代ローマ女性詩人の一人。恋愛詩が特徴で、愛人に捧げた詩が『ティブルス詩集』に収録されている。当サイトに転生し、古代ローマの文化、歴史、社会に関する様々な疑問に回答してくれる。