古代ローマの食器事情|意外と長いヨーロッパ手食の歴史

古代ローマの食器事情|意外と長いヨーロッパ手食の歴史

古代ローマの食器事情|意外と長いヨーロッパ手食の歴史

西洋人の食事といえば、ナイフやフォーク、スプーンを上手に使い食べ物を口に運ぶ姿を思い浮かべるでしょう。しかし実はこれ、近世になってからのイメージです。
それ以前のヨーロッパでは、食器を使うのは食事をよそったり切り分ける時などに限り、食べる時は手を使うのが一般的でした。

 

 

ローマ帝国崩壊後の食器離れ

とくにローマ帝国崩壊後、キリスト教が優勢になってからは食器離れが進みました。食事は神様からの頂き物として、素手で食べるのがマナーすら考えられるようになったからです。
フランス革命の頃から、ようやく貴族に限りナイフやフォークで食べるようになりましたが、庶民の間では引き続き手食文化が支配的でした。広く食器が使われるようになったのは、以外にも近世に入ってからです。

 

古代ローマ時代の食器利用
ナイフ

古代ローマでは豚肉がよく食べられましたが(ハムはローマ時代ゲルマン人が発明したといわれています)、ナイフはその肉を切り分けるのに重宝されていました。
ただ食事の際には人数分のナイフを用意するのではなく、家長などが切り分けて分配していました。
中世からは自分用のナイフを携帯するようになり、食事以外でも日用品として使用していました。

 

フォーク

ローマ帝国では青銅や銀で作られたフォークが使われていました。この時代のフォークには歯が2つしかありませんでした。このフォークは「食べ物を口に運ぶため」というより、「食べ物を切るとき突き刺して切りやすくするため」に用いられたもので、器によそったあとはやはり手で食べていました。

 

スプーン

ローマやギリシアでは、先端が2つに割れたいわゆる先割れスプーンが普及していました。調理やスープを飲むのに使うのが主ですが、食事以外でも薬品調合の際にも役立っていたようです。ローマ帝国崩壊後は廃れて、14世紀頃までヨーロッパでスプーンは表舞台から姿を消してしまいました。

 

食器の素材

庶民が使う食器の素材の大半は木製でした。陶器や金属製の食器は高級品で、一部の富裕層くらいしか使っていませんでした。

 

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